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haru

音楽と社会で泳ぐ27歳、会社員。

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今と、そして未来の私へ

3月最後の土曜。

せっかく桜が満開なのに、神様のご機嫌がななめなのか、東京は雨の日が続いている。

暖かかったのに、「まだ私を忘れないで」と言わんばかりに寒さが戻る。

それもまた、春らしいのかもしれない。

こうして自分について文字を書くようになって、一年が過ぎる。

あっという間だったような、長かったような。

毎年毎年、「今年はすごい一年だったなあ」が更新されていく。

これはすごく、幸せなことなのかもしれない。

25歳の私。

もう戻らない日々。

でも、全てが今につながっている。

私は、文字を書くことを専門に活動しているわけではない。

けれど、思い返すと子供の頃から何かを書くことが好きだった。

確か小学校5年生の時、友達5人ぐらいと、1冊のノートにリレー形式で小説を書いたことがある。

どんなストーリーにするか、本当に自由で、楽しくて。

回ってきたノートをワクワクしながら読んで、そして私の世界をつないだ。

24歳の私は、25歳の私に「どうか25歳の日々を充実させて」という願いを託した。

振り返ると…何があったっけ。

すっかり記憶力が落ちてきてうんざりしてしまう。

入社3年目で主任へ昇格した。

初めて海外アーティストと仕事をした。

全国ツアーを経験した。

何度も何度も失敗して、怒られた。

初めて会う友達がいた。

3年ぶりに会う友達もいた。

誰かと同じ空間で過ごす楽しさと嬉しさを痛感した。

大切にしている曲を、改めてリリースした。

たくさん、音楽や企画、表現をする方々と出会えた。

企画運営を再開した。

目標も夢も持てなかった私に目標が出来た。

音楽をする決意が固まった。

他にも、書ききれない日々を重ねた。

翌日の日曜日、とある写真家の方の個展に行った。

小さなブースだったけど、確かにそこに彼の残した世界があった。

生きることの不完全さが美しいと、彼は言った。

完全なんてない。

完全じゃないから、輝く日々に目を、耳を、心を奪われる。

別なとある人が最近私の曲をたくさん聴いてくれているらしい。

「るいちゃんの音楽はまるで歌みたいだ。」

そんな風に言われた。

音楽をする上で、私が大事にしていること。

それは、

ピアノで歌うこと。

ピアノで物語を表現すること。

ピアノで温度を感じること。

ピアノで空間を捉えること。

私にしか出来ない、私にしか感じられない世界がここにあって、それをどうにかして誰かに伝えたくて、だから私は音に、言葉に、声に変えて伝える。

だから、歌みたいだと言われることは心の底から嬉しい。

嬉しくて、そして嬉しさが未来への光になる。

私は決してピアノが上手いわけではない。

上手くはないというか、抜きん出てテクニックがあるわけじゃない。

積み重ねてきた音楽への投資、時間が今の私をつくったわけで、それも世間から見たら甘過ぎるものだと自覚する。

だから、私はもっと上手くなりたいし、何より私の音楽を届けたい。

数年前、1年2ヶ月ピアノ活動を休止した。

そのせいで私を応援してくれていた人が離れて、聴いてもらえる機会が減ったことは正直もったいなかったと思う。

それでもあの時間があったからこそ、自分を見つめ、問いかけ続け、結果、音楽がしたいという答えを出すことが出来た。

休みの間、文字や言葉での発信を細く続けたおかげで、この場所で言葉を紡ぐ機会をもらえた。

私は、表現することが好きで、表現し続けることが私の生きる価値そして意味なのかもしれないと、何となく見えてきた気がする。

創作も配信も、何かを表現することは、表現したものを受け止めてくれる人がいて成立する。

だから、この連載も、音楽も、私が表現したものを受け止めてくれた人に心から感謝をお伝えしたい。

そして、これからも私のつくるものを見て、聴いて、感じてもらえたら嬉しいです。

バス停近くの満開の桜を見て、思わず足を止める。

携帯のカメラアプリを開き、何枚か写真を撮る。

同時に、目で、心で、桜を見つめる。

「ああ、またこの季節が来たんだな。」

こう思えることは当たり前ではない。

来年もこうして桜を見上げ、嬉しい気持ちを感じられるだろうか。

それは今の私には分からない。

だから、そのことを忘れないために、ここに書き記そうと思う。

私が私でいるために、

私が私として生き続けるために、

これからも、歌い、紡ぎ、うつしだすことを続けたい。

そう、強く思う。

26歳の私へ。

どうか、音楽と生きてください。

あなたの音楽の光を、消さないで。

明日への一歩は、きっと遠回りになっても決して無駄にはならないと信じて。

この一年間私の言葉を読んでくださった皆様に愛を込めて。

25歳の私より。


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