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初めてアイルランド音楽を聴いた日 ~伊達なアイルランド祭り~

ないたー

ことのはじまり

 ごきげんよう、ないたーです。
 去る2025年4月5日、車社会の田舎をちょっと離れ、東北地方の最大都市、仙台市に向かいました。
行く先は「国際センター駅2階 青葉の風テラス」。

 僕の琴線を8年ほど前からくすぐり、4年ほど前から傾倒しているアイルランド音楽の催し『伊達なアイルランド音楽祭り』での演奏を拝聴するためです。

 僕のTwitter(現X)アカウントは音声配信と記事投稿用に作ったつもりだったのですが、近頃はもっぱらアイリッシュ楽器のひとつ「ティンホイッスル」の練習の模様を投稿するアカウントになっております。
 フォロワー各位にはその楽器でお馴染みの、その音楽です。

 もともとゲーム音楽がきっかけでティンホイッスルを知り、それが高じてアイルランド音楽に触れ始めたので、これまで生演奏を聴いたことはありませんでした。
 まして居住地を福島に移してからは、東京に行かなければそんな機会も無いと思っていた矢先、Twitterでこんなポスターを拝見したわけです。

画像引用元:https://sendai-irish.main.jp/stpatricks

 こんなの行かないわけにはいかない。逃す手はない。聴き逃してはならない。なんとしても。
 
 まあそういったわけで国際センター駅に赴きました。

イースター蜂起?いやいや、センパトです

 国際センター駅は初めましてスポットでございましたが、あまりの天気の良さに仙台駅からお散歩で向かうことにしました。
 咲いていない桜でも気にせず盛り上がっている花見宴会を尻目に、一歩一歩高まる期待を噛み締めながら。
いやはや、仙台は都会ですねー。

 して辿り着いた会場。
 遠目からでも緑白橙の三色旗が確認できました。
いくらなんでもイースター蜂起の会場というわけではないでしょう。

写真だとちょっと見えにくいけど

 しかし、開会時間前なはずなのにセッションのような音が聞こえてきたのには焦りました。時間を間違えたかと思った。
 おそらくマイクチェックとか音出しとかだったんだと思いますが、湧き上がるように自然に演奏が始まるんだと、始まる前から感動した覚えがあります。

 このイベントのコンセプトでもあり、そもそもの前提であるアイルランドの祝日「セントパトリックスデー」のお祝いが根底にあったわけですが、その慣例に倣いまして、緑の着衣で会場入りさせていただきました。
 緑のYシャツを持っていたから他の準備はしてなかったんですが、箪笥の中に緑のズボンと緑のTシャツが入っており、これには大変驚きました。そんなに緑の服着るっけ、僕。
 
 なお、この祝日の説明についてはアイルランド外務貿易省のページにお任せするとします。
https://www.ireland.ie/ja/japan/irish-for-a-day-how-japan-has-embraced-st-patricks-day


全部手作りとの装飾。最高の雰囲気。

 パンフレットとステッカーを受け取って会場に入ると、そこはアイルランド一色の世界
 
 緑の風船、三色旗、ペーパーアートや切り絵作家の方の作品、そして銘々に緑をまとった参加者のみなさん。
それだけでももう、感じたことのない雰囲気に圧倒されてしまいました。

 驚くべきことに日本アイルランド大使館にまで後援されていたそうで、日本とアイルランドのつながりを紹介するタペストリーまで設置されていました。
 いや、すごない?日愛間の交友関係の深さまで感じられてしまうとは。

 開会式では、実行委員長のEli Unger氏の挨拶がございました。Dia ghuit~。
これが実にウィットに富んだご挨拶で、思わず口角が上がってしまいました。なかなかうまいこと仰ったんですよ。
間のとり方もなんだか絶妙で、日本語が母語でないことが信じがたいほどでした。

 僕あんなに上手に喋れないですもん。二十数年日本語使ってますけどね。
閉会式のご挨拶と併せて、演奏に次ぐ見どころだったと今でも確信しております。


 そしてそしてそして、いよいよ演奏が始まりました
当日演奏されたのは、合わせて7団体の皆様。いずれの皆様も仙台にゆかりのある方々で、日本全国からこの日この時のために集結されたとのこと。
 アイルランド音楽を通じた人々の連帯の強さというか、熱意というか、そのようななにか言葉にし難いものを感じられたところです。

 図ったかのように当日直前にTwitterで大バズした、主催者Ryoさんを擁するバンドに始まった演奏会。
13時から17時まで、本当に釘づけでした。転換の間に1回くらいお手洗いに行ったくらいだった気がする。1音でも聴き逃すのがもったいなくて。

 動画や音源でしか見聞きしたことなかったアイリッシュの演奏がそこにあること、自分以外の人がティンホイッスル吹いてること、Tradもオリジナルも今まさにそこで演奏されていること。
とても鮮やかな光景でした。そっか、ちゃんとある音楽なんだと実感できた瞬間だった。

 クラシックも吹奏楽も、演奏会と呼ばれるものの類には何度も聴きに行ったことがあったはずなのに、どうしてこうも違って聴こえるのかということにも我ながら驚いたことです。
ホールじゃなかったからなんですかね、いや違うな。

 ライブ感100%で、聴いてるほうもずっと一緒にノッていられるってところこそがアイルランド音楽の良さなのかも。これは違わない気がするな。

 ある方が動画で言っていた(ような気がする)のですが、クラシックと違って楽譜の再現性が重視されないというか、いやそもそも楽譜がないから再現性とかいう話ではないんだと思いますが、その場その場の演奏を楽しむことができるってのが素敵だなと、そんなことも感じながら至福の時間を過ごしておりました。
 ほんと、ずっと良かった。シンプルに生演奏の良さとアイリッシュの良さの相乗効果が得も言われぬ体験を醸し出していた。ここまで全部大げさに聞こえるかもしれませんが、僕にとっては全部ほんとのことです。


 初体験だらけだったこの日、これまた新鮮だったのがアイリッシュダンスでした。
 聞くところによれば、アイリッシュにおいて音楽とダンスは切り離せないものだとか、特にパブなんかではダンサーのために演奏する節もあるんだとかそんなふうに聞いていたソレをも体験できるらしいとか。
そこまで聞いていたにも関わらず、ダンスについて積極的に調べたことはなかったなと反省もしながら、その時間も待っておりました。
 
 今日一日で一体どこまでアイルランド音楽を楽しましてくれるんだと思う反面、何しろひっこみがちな僕が一緒にできるものなのか、何も知らなくても一緒にやってもいいことなのか。
 いやしかし、今日この日にひとりで飛び込んできたからには、感じられるものはすべて感じておいたほうが良いのです。頑張れ僕。

 という心配はどこ吹く風で、講師の宮澤先生が登場されてからはあっという間に先生の独擅場、参加者全員を巻き込んだダンスパーティが開催されてしまいました。
学生時代を振り返りましてもダンスにいい思い出はございません僕ですが、「おや、ちょっと楽しいかもしれないのではないか?」と思えてしまう小気味良いワークショップでございました。

 そもそも、上手く踊る必要はなかったのです。
そんなことは求められていない空間で、同じくそこにいる人たちと、同じ音楽で踊ることの楽しさがあるんだと、そんなことまで知ってしまった、短いながらも贅沢な時間でした。 


 しかしこればっかりはどうしようもなかったことは、やっぱ風が強かったことですかね…。ちょっとさむうござんした。陽向が暖かすぎた。
いやね、あったかいコーヒーなどを買いに行けばよかったんだとは思うんですよ。けど、なんだか並んでそうな気配がずっと強くて、並んでる間に直接聴けなくなるのが惜しすぎたんですよね。あの場から離れられなかった。もったいなさすぎて。
 全く文句なく最高の時間でした

祭りの後の祭り

 もう一つ語らずにはいられないのが、点灯式のセッションですよね。
僕にとって、初めての誰かとの演奏。これもずっと忘れられない体験になったなと、そう思っています。

 何しろ独りで楽器を練習している身なものですから、一緒に演奏できるのはYouTubeの動画かなんらかの音源か自分の録音か、みたいなアレですからね。
 しかもついさっきまでそこで演奏していた人と、終わった途端に一緒に演奏できるなんてそんなそんな恐れ多い、滅相もないです。そんなこと言われても困ります。僕みたいなものがあの場で楽器を吹くなんて、音を出すなんていやいやとんでもないことです(ふところから楽器を取り出しながら)。

 これも逃すことができない絶好のチャーンス、そう思って喜び勇んで楽器を持参していたわけですが…。
 「John Ryan’s Polka」、それなりに練習していったつもりが、緊張で手が震えすぎて本当に全然ちゃんと吹けなかったでした…。周りにいた人、まじでごめんなさい。ミス多すぎてうるさかったと思います。ほんとに。全員ユニゾンだからね、間違えたらすぐわかっちゃうからね…。
いやお恥ずかしい。もっと練習します、ほんと。いやはや。
「蛍の光」はもう少しマシだったと信じております。

 でも、アイルランド音楽を演奏する一体感を感じることができたのは幸せでした。これも最高の時間だった。こうもみんなで一緒に演奏できるんだと、合奏の楽しさを実に10年ぶりくらいに再確認できた。それがアイルランド音楽で良かったと思っています。

 そして、アイリッシュトラディショナルとジャパニーズトラディショナルの融合もまた、日愛関係や参加者のみなさんの交友を深める一助となったこと間違いないでしょう。きっとね。

 
 それにしても、ライトアップされた伊達政宗公騎馬像があんまし見えなかった気がしたのは、多分僕の目が感動の涙で曇っていたからでしょう。いや、そうに違いない。

そんなわけで

 記念すべき、僕の初めての生アイルランド音楽と誰かとの演奏。
一参加者ながら、今でも余韻をかみしめさせていただいております。あの日の参加者で一番満喫していたのは僕だと、そう思えるくらい楽しい1日でした。

 実行委員長を始め、主催、運営の皆様には本当に(誠に勝手ながら)お世話になりました。
 本当にお疲れ様でございました。ありがとうございました。

 今回は独りで参加したので、誰とも会話を交わすことがなく終わってしまったのがちょっぴり寂しかったのだけ、書き記しておこうかなと思います。誰かと分かち合えるようになりたい。
いないんすかね、福島県内でアイリッシュやってる人。いてほしいなぁ。いるとは思うんだけどな。

 ではまた。
 


引き続き、ティンホイッスルを練習したらTwitterに投稿しようと思ってます。
気が向いたらフォローしてね。

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