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haru

音楽と社会で泳ぐ27歳、会社員。

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散る、歩く、そして。

満開の桜が散っていく。
はらはら、はらはら。

はらはらっていう擬音語なんて桜が散るときぐらいしか使わない気がする。
でも、はらはらっていう言葉がぴったりなんだ。

皆様こんばんは。
haruです。

私がtetrarchiaという場所で生きる理由って何だろうか。
重たく聞こえますが、ようは「何を書こう」という話しです。

かれこれ2年近く悩んで悩んで。
結局、これだ!という自分の中での軸、核、指針は全然決まらぬまま。
私がここで生きる意味は何だろう。
その答えは私が動いて探すしかないんだろうなと、思っていたり、いなかったり。

つい昨日、とある女の子から相談のLINEが届きました。

「大学3年生になって就活が不安なんですけど、相談に乗ってくれませんか」

彼女のことは中学生のころから知っていて、もう就活する時期なの⁉と驚いてしまいました。
出会ったころは私も学生で、私も歳を重ねているのだから彼女も大きくなるし、彼女がもう21歳なのだから私も大人みたいな見た目になるわけだ…と煙草をふかす夜。

私は皆様、特にこれから就活するぞ!という方にとっては本当に参考にならない就活を経ています。
大学時代の先生の会社にアルバイトで通うようになり、そのまま大学4年生になる直前に内々定がおり、そのまま就職。
いわゆる一般的な就活は何一つしていません。しいていうならマイナビ2020に登録したぐらいかな。

というのも、私はクラシック音楽業界での就活を希望していて、希望業界の求人は一般就活にはめったに出てこないのです。
もしクラシック音楽業界での就職を希望するのであれば、ネットTAMというサイトだと文化芸術系企業の情報が結構掲載されています。
学生時代、友達と毎日見ていました。

さて、彼女が欲しい言葉が出せるか否か不安に駆られた私ですが、彼女に向けて送った言葉と、その言葉をなぜ伝えたか、それを今日はお話したいと思います。

私はあくまで日本での労働、仕事について、そしてエンタメ業界のはしっこのことしか知りません。
狭い世界で生きてきた私の言葉です。違う意見もあるかと思います。

でも、私が生きてきたうえですごく大事な、自分の性格や思想を大きく変えられたぐらいの、長くて短い社会人生活で学んだことです。

どうか最後までお付き合いください。

ろう‐どう〔ラウ‐〕【労働】

 からだを使って働くこと。特に、収入を得る目的で、からだや知能を使って働くこと。「工場で労働する」「時間外労働」「頭脳労働」
経済学で、生産に向けられる人間の努力ないし活動。自然に働きかけてこれを変化させ、生産手段や生活手段をつくりだす人間の活動。労働力の使用・消費。

コトバンク

私は何かを説明するとき、考えるとき、まずは言葉の意味や定義を確認します。これは癖です。
何故かというと、現代においてインターネットや会話の中で言葉を知る、身につける、蓄える場面はとても多いかと思いますが、果たして正しい言葉の意味で理解できているか、使えているか、そのままにしていたら間違っているのではないか、と感じるからです。

話しは少し逸れますが、私は間違いを指摘されることがあまり好きではありません。
もちろん、指摘されることで学べるし、言ってもらえるだけありがたい。
私の母はよく「言われているうちは華」と私や妹に言い聞かせてきましたが、本当にそう思うし、非常にありがたいことだとは思うんです。

だけど、シンプルに恥ずかしい。
いい歳になってきて、こうやって文字を綴って、ラジオで話して、そんな風に活動しているのに母国語も使いこなせない、誤って覚えていることに気づいてもいない=自身が受けた情報を疑わない、そういう人間だと思われることがとても嫌なんです。

前職の上司にマスコミ業界で働いた経験がある人がいました。
その方から「お前は話しが長すぎる」だとか「ら抜き言葉になっている」だとか、散々いろんな指導をしていただきました。
特に恥ずかしながら私は指摘されるまで「ら抜き」という言葉すら知らなかった。
そこから「ら」を抜かないように矯正するのは結構大変だったな。
今でも頭に意識して会話しないと抜けそうになるし、どこまでらを入れたらいいのか勉強中です。

何が言いたいかというと、
「自分の知識に疑問を持つこと」
「自分の知っていることを実は知っている”つもり”なのでは?と疑うこと」
この視点が自分の知識をより強いものにしてくれる。
そう、思うのです。

私は音楽の世界で働きたかった。
音楽に携われるなら何でもよかった。

大学一年生の時から音楽業界での就職を目指して、様々なインターンシップに行きました。インターンで学んだこと自体はそこまでハイレヴェルではなかったと振り返ります。たかが3-4日だしね。しかも学生に対して労働契約も結んでいないから難しいこともさせられないしね。責任問題もあるし。

それでもインターンにたくさん行ったのは「人脈」と「エピソード」を作るためでした。

義務教育では基本的な知識を学びます。
座学なんて結構そんな感じですよね。
テストでいい点数を取るため、志望校に合格するため、資格を取るため。

ですが、大学生になって、就職で、そして社会人になって。
求められることは「想像・創造力」と「生産性」、そして「オリジナリティ」なのかなと思います。

プロジェクトをどうやったら最高の結果にもっていけるか
一番効率よく進める手順は何か
会社にとって一番利益を生むことができる方法は何か
先方にOKをもらえる企画は何か

あるものをあるところに仕舞う仕事もあります。

だけれど、たまたま私がやってきた仕事は「想像・創造力」と「生産性」、そして「オリジナリティ」、そして付随して体力やコミュニケーション能力など、さまざま必要な職種でした。

さて話し始めたらきりがないので、今日のテーマに戻りましょう。

彼女は「ブラック企業にはつとめたくない」と言いました。
分かる。ブラック企業はきついもんね。きっと、あなたが想像するよりずっとずっときつい。
大事に思っている彼女にそんな悲しくてつらい思いはしてほしくないもん。

私は言いました。
「姫ちゃん(彼女のニックネーム)はどんな大人になりたい?」

大人って、勝手になるものじゃないと思うんです。
私はいま27歳になったけれど、正直自分のことを子供、うーん、正確には未熟だなと痛感します。
家事は必要だからやっているけれどあまり好きじゃないし、お金の管理もへたくそ。朝は起きるのが苦手だし。

でも、世間から見たら大人なの。きっと。

私はどんな大人になりたいか考えて就職しませんでした。
音楽の世界で働ければ何でもよかった。何年働くとか希望は無かったし、何だろう、そんなものなかったのに、音楽の世界で働かなくてはいけないという使命感すら感じていた。

その結果、やりがいも感じられていたしとても成長できた。
業界の人たちが大好きだったし、私がこれほどまで音楽を愛おしく思えるようになったことやマネジメントに興味が深まったのは確実にこの4年があったから。

だけれど、haruとして、いや中身の一人の人間として、この先のいつまで続くか分からない人生をどう歩みたいかなんて、考えたことがなかった。

ある人は結構願望や子供へのあこがれ、夢が強いかもしれない。
もしくは、一人で生きていくことを決めるかもしれない。
家族とともに生きたいかもしれない。
趣味がある、夢がある。私のようにね。

人生をどう進めるか、舵をとって船を進めていくか、そもそもどんな海へ出ていくのかは、その人が決めること。
もちろん本人の力じゃどうしようもできないこと、家庭環境や金銭的な問題はあると思う。病気とか。
それでも、決める最終の最終の最終は本人だと思うの。

就活で内定が出て、入社することはゴールじゃない。
スタートの手前ぐらいかもしれない。

からだを使って働いて、対価を得ること。
アルバイトの経験がある人は慣れていると思うかもしれないけれど、業種が変わって、いわゆるオフィスワーカーになったら、そんなに簡単じゃない。
時間も体力も労力もかかる。
そもそも対価がちゃんと払われているかも会社による。

仕事が大変、これは別に悪いことじゃない。
仕事が大事な人、やりがいが持てる人、相応の対価をもらって守るべき人や場所がある人。

その人にとって、その人の人生にとって。
どんな大人になりたいかの地図のラフに合っていればいいと思う。

この地図のラフって結構大事だと思うんです。
だって、その人の人生って、他人は味わえない。
あなたが味わうものだから。
あなたが見て、聞いて、感じる時間だから。

はらはらと散っていった桜を見て、ああ、綺麗だなと思った。
今年の桜はもう終わりだけれど、きっとここに根がある限り、誰かに見てもらえている限り、また咲いて、はらはらと散って。

私たちの人生も、もしかしたら似ているのかもしれない。
根がどんどん大きくなって、桜が咲いて、葉っぱが生きて、枯れて、また咲いて。
はらはらと散って。

気持ちも、心も、考えも、見た目も、一生同じはない。
変わって、変わって、変わり続けていく。

その変化が苦しいものでも、きっとその先に「ああ、よかった」と思えるだろうし、私はここからの未来が良かったと思えるように、どんな時間にしたいかを考えて生きていこうと、ようやく気付けた。

今の私にとって、一度しかない、長い回航。

自分だけの、自分だからこそ。

haru


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