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ないたー
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水を操りたい!

瓦落多思考物 #4

 ごきげんよう。ないたーです。

 突然ですが、皆さんは超能力を使えますか?

 私は使えません。しかし、男の子なら、いや人間なら、一度は思うでしょう。

 「人智を超えた能力を意のままに操りたい――」、と。


 

 人智を超えた能力、すなわち超能力というものは、古今東西より様々に信じられ、描写され、はたまた疑われ、検証されてきました。その力の及ぶ範囲は多岐に渡り、(この言葉を直接あなたの脳内にお届けしてみたり)、この記事が「ではまた。」で終わる未来を予知してみたり、遮蔽物透過してものを視てみたり、はたまた瞬時に

離れた場所に移動してみたり。

 しかし、これらの能力をもう絶対に上回るであろう†能力†、それは「水を操る力」ではないでしょうか。

僕がこの説を提唱するようになってからもう10年弱が経過していますが、一向にこの能力に目覚める気配はありません。なんででしょうね。ピンチに陥っていないからでしょうか。

皆さんはまだこの水を操る能力の有用性に半信半疑だと思いますので、僕と一緒に確かめてみましょう。


<有効範囲>

 一番初めに、どのくらいのレベル感で操れるのかを共有しておかないと話が始まりません。

結論からいえば、スケール感では分子レベルから、範囲は自分の視界に入るくらいの距離ならとしておきましょう。

そして、操れるというのは運動量やその方向を操ることができることを言います。

つまり「水を自由自在に動かし、状態変化させられる」ということになるわけですね。

どうですか?この認識があるだけで、能力のすごさがじわじわ実感し始められたのではないでしょうか。

その辺の水たまりを干上がらせられるとかそういうレベルではなく、もっとこう万物としての水を、液体の状態に限らずに操作できるというわけです。


<日常生活編>

 この能力、日常生活の中だけでも非常に役立ちます。

 まず、今後一切不本意に濡れる必要がなくなるわけです。

水が操れない皆さんは、雨の日なんてちょっと憂鬱なんじゃないですか?傘なんか差しちゃったりなんかして、それでもちょっと風が吹いたりすると上着を濡らしたりなんかしてるんじゃないですか?

 ところがどっこい、水を操れば上着どころか靴まで濡れることはなくなります。

なにも自分の上だけ雨を降らさないとかそんなたいそうなことはしなくとも、体表付近で自分に当たる前に雨粒の動く方向を変えるだけでいいのです。 

 

 この考え方を応用することで、例えばお風呂上りに体を拭くことも髪を乾かすこともしなくてよくなります。体表の水を除去するだけでいいからですね。

というかお風呂に入る必要もなくなります。操る水に石鹸を含み、体を覆う水流を使って汚れを除去すればいいわけですから。それに使った水も、水中の不純物だけをゴミ箱の上あたりで解放して、残った純水に近い水は適当に水蒸気にしてしまうなどすれば、下水に流すことすらしなくてよくなるわけです。

ちなみに、同じ理論で洗濯機を回す必要もなくなります。

 ほかにも、一度冷めてしまった料理を温めなおすこともできます。

電子レンジは、マイクロウェーブを食品に照射して水分子の運動量を増加させることで加熱しています。もうおわかりですね。自分でやればいいだけです。

温めすぎることもなく、程よくおいしい温度に調整して常に美味しく料理をいただけるってわけです。

これを逆に使って、僕が嫌いな人の食事を妨害することもできます。口に入れた瞬間にめっちゃ冷ましてしまえば不快な食事間違いなし。

 ちょっと水が飲みたいななんて時にも、空気中の水蒸気を集めてきて僕の口の中で水にしてしまえば、いつでも冷たいお水を飲むことまでできてしまいますね。

 ほらもう、明らかに便利。圧倒的有効。今お伝えしたことに着想を得れば、日常生活の様々な行為へと応用が効くことがご理解いただけるでしょう。人の感情を読みとったってなんのいいこともないのです。知りたくないことばかり知って不愉快な気持ちになるくらいなら、水を操って快適な日常生活を送りましょう。

 

 え?なんでもありになってるじゃないかって?だから最初にどれくらい操れるかお伝えしたじゃないですか。


<対人戦編>

 能力者というものは、大体その能力を知られるとほかの能力者や得体のしれない組織なんかと戦闘する羽目になります。

でもこれは経験したことがないので実際に起こるかどうかも不明瞭なところではありますが、しかし水を操ることでよっぽど負けることはないはずです。

 というのも、人間やそのほか生き物には大体水分が含まれているからです。

自身に害を加えようとする能力者そのものに、体内からダメージを与えることができるというのは大きなアドバンテージになります。

とはいえ、これに関しては相手の能力とのかみ合いにもなりそうですし、というかそもそも命を狙ってくるような能力者がいるのかという本質的な問題にもなるので、あまり深くは追求しないことにしましょう。

深めれば深めるほど、水を操る能力をもった人間が主人公のSF小説が紡がれることになってしまいますし。


<弱点>

 これまで、その圧倒的威力を見せつけてきた「水を操る能力」ですが、大きな弱点があります。

単体に弱い、ということです。

 ここでいう単体とは化合物に対してのことであり、単一の元素から構成されるものです。つまり金属やガスのことですね。

理由は簡単。水を含んでいないからです。

水を含んでいるものであれば、水を一気に除去して干からびさせるとか内部から沸騰させるとかできるのですが、いかんせん含んでいないんだからそういうわけにはいきません。

だから、先ほどの話からいえば、金属を操って攻撃してくるような不届きな能力者がいた場合には、その攻撃に対しては基本的には防戦するしかない厳しい環境に置かれることになります。

 ちなみに、大体の創作物だと水は電気に弱いことが多いですが、これは心配ご無用です。水には純水に近ければ近くなるほど電気を通しにくくなるという性質があるからです。

中学の理科の実験で水の電気分解をやるとき、「少量の水酸化ナトリウムを溶かした」などという文言を見かけましたよね。そういうことです。


 さて、超能力でも最も優れた能力についてお話ししてきました。さっきまでは「いやテレポートが一番強い」みたいな意見だった人も、きっと考え方が180度変わったことでしょう。

この記事を読んでしまったあなたは、今後「どんな超能力が欲しい?」と聞かれたら迷うことなく「水を操る力」とお答えください。

もう水を操れるよという方は連絡ください。 

 ではまた。


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 Twitterアカウントを開設しました。あんまりたくさん呟くと記事にしたいことがなくなってしまうので使い方には悩んでいますが、今後細々と続けていくつもりの創作物の発信源にしたいと思っています。記事へのご意見なんかもお待ちしてます。


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