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haru

音楽と社会で泳ぐ27歳、会社員。

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積み上げること、届けること

皆様こんばんは。

る  いです。

桜は緑に変わり、コートはカーディガンに変わり。
いつの間にか過ごしやすい季節となりました。

私が勤める会社に新人が入りました。
これまで会社で一番下だった私にとっては後輩となります。
長く続けて欲しいなあという気持ちでいっぱいです。
辛くても、でもこの仕事は何にも変え難い喜びに満ちているんだよ、と伝えられたらいいなと思います。

さて、今回のテーマは『積み上げること、届けること』。

クリエイター的な目線とプロのマネージャー的な目線で私の考えを書こうと思います。

創作、芸術、配信。
インターネットの発展で、私たちは自己表現を簡単に出来る世の中になりました。

私は色々とやりたいことをやっていますが、結局のところ自己満足なんです。
しいていえば、マネジメントについてはプロとして生きてますが、演奏にしても文字書きにしても、配信にしてもプロではありません。

でも、常にいいものを届けたいという気持ちで取り組んでいます。

例えば音楽。
音楽は、やりたい人が自由にやっていいと思っています。

だけど、音楽家や演奏者として音楽を届けていると口にするのであれば、自分がつくり出すものには全力で取り組み、何を届けたいのか、どうしたいのか、自分の意思を込めることが必要だと考えています。

ピアノを弾く人間は世界中にごまんといます。
世界的なコンクールで優勝したり、ソロリサイタルを開いたり。
演奏を生業とする人も大勢います。

上手さは必要です。
抜きん出た技術も必要です。

だけど、それ以上に大事なことは『その人が音楽を通じて何を伝えたいか、何を表現したいか』だと思っています。

私がマネージャーとしてどんなアーティスト、クリエイターをマネジメントしたいか。
それは、その人にしかできないことを届けられる人です。

ミスなく弾くことも大事です。
プロとしてお金を貰うなら尚更そうです。

ハイレベル、ハイクオリティな演奏を届けて、聴衆が音楽を感じる『時間』に対してお金を貰っていると思うからです。

クリエイターは、自分の中にある様々なものを表現しています。
その表現のために、ある人は音楽で、ある人はイラストで、ある人は声で、ある人は演技で、自分の中にあるものを具現化します。

代わりがきくものなら、あなたじゃなくていい。
残酷だけど、そういう世界です。

あなたらしさ。
わたしらしさ。

それは、その人の中にしかありません。

その人の中にしかないものを、表現すること。
それがクリエイターが考えるべき事項のひとつと感じています。

そのために技術が必要になる。
知識が必要になる。

習得するために努力が必要になる。

努力=積み上げること。

では、努力は評価されるべきなんでしょうか。

クリエイターにおいて、という前提を置きますが、努力自体は評価の対象外だと思います。

頑張ってます。

で、その結果何が出来たの?

自己表現、もとい創作はクリエイター自ら取り組んでること。
クリエイターは結果が全てです。
この結果は、バズるとか、そういう意味ではありません。
つくりだした創作物のことを指しています。

残酷だけど、クオリティが大したことの無いものをつくっているのであれば、代わりになるクリエイターはいくらでもいます。
しかも、代わりになる人達はどんどん出てきます。

では、代わりがいないものをつくるためには。

そこで『オリジナリティ』、つまりあなただけのもの、私だけのものが登場します。

上手いだけなら代わりがききます。
極論、音楽なら打ち込みでいいし、イラストならAIに任せてもいいかもしれない。

打ち込みやAIを否定したいわけでも蔑みたいわけでもありません。
でも、クオリティだけなら上には上がいるし、私たちはコンピュータに勝つことができない場面も多々あります。
経験や時間の量がものを言う時もあります。

頑張ることは当たり前。
頑張ることが目的では無い。

自分だけの、自分しか出来ないことをするために、頑張る。

目的や目標を見失うこと。
これはゴールがないマラソンをしているようなもの。

何かを始めた人がいるとします。
何かイベントを企画している、それでもいいです。

誰かの時間を貰うこと。
これはどんなことより価値が高いと思っています。

貰う時間を、『預けてよかった』と思わせる。
企画制作の上で、大事な考えだと思っています。

期待。
重たく感じるかもしれません。
嬉しいと思うかもしれません。

期待通りにすること、大事だと思います。
だけど、私たちクリエイターはその期待を超えるものを届けていく必要があると感じています。

期待を超えるとどうなるか。

もっと見たいと、もっと聴きたいと、また来たいと思わせることが出来る。
別な視点で言えば、好きになってもらえる。

期待する程じゃなかった、なんていうレビューを見ることがありますが、その口コミを書いた人はきっとそのものを買うことやコンサートに行くこと、その配信者の配信を行くこと、その人の音楽を聞くことはしないと思います。

期待する程じゃないものにまた時間やお金を割くほど、みんなゆとりがある訳じゃない。

今というものすごい速さで過ぎ去る時間をより良いもので満たしたいのであれば、もっといいものを、もっと好きなものをくれるクリエイターやアーティストを探すでしょう。

芸術、創作、自己表現。
自己満足のかたまりみたいなものに対しての評価は残酷で、シビアです。
いまやインターネットの海に数え切れない創作物が転がっていて、投稿され続けています。

その中で、好きでいてもらうことは、想像以上に難しく、辛く、でも好きでいてもらったりたくさんの人に触れてもらえることが出来たら最高に気持ちいいものだと思っています。

話は変わりますが、私がマネージャーとして生きてから感じること。
それは裏方の人間が、頑張ってます!!と声を大にして言って、努力を評価されたがることは違うんじゃないか、という事です。

私たちが評価されるべきものは、努力の結果生まれた『創作物』と思います。

「面白かった」
「癒された」
「爆笑した」
「感動した」
「泣いた」

誰かに届けた自分の分身が、誰かの中で何かに変わる。

それが、誰かの中でプラスになれば、こんなに幸せなことはありません。

そういったものをつくり続けること、届けること、この意識がクリエイターにとって大事なことの一つなのではないかと思っています。

そして、そういった意識と、意識の上に生まれた創作物を評価して、我々マネージャーはこれはたくさんの人に届けたい!と思うわけです。

努力することは大事。
だけど、努力を認めて欲しいのであれば、努力自体を伝えるのではなく、努力の上であなただけの、あなた色に染まった、誰かの時間をワンランクもツーランクも良いものにする創作やコンテンツを届けて欲しい。

そして、私たちマネージャーは、そういった創作をどうしたらより多くの人に届けられるかについて、全力で取り組むことが、仕事だと思います。

違うんじゃね?と思うこともあったかもしれません。
来年の今頃この文章を読んだ私は「何クソガキがクリエイターを語ってんだ」と思うかもしれません。というか、思う気がしています。

それでも、今の私にしか書けない、伝えられないものだと思ったから、ここに残そうと思います。

今日はここまで。


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