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396

綴る人。誰かの中に花芽として眠られたら嬉しいです。

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春茜、私は独りじゃなかった

おはよう、こんにちは、こんばんは。

396です。

暖かい季節に近づいていますね。

雨が元気よく降り、過ぎ去る春を横目に見て、「あぁ、綺麗な色彩だったね」と誰かと話したくなる。そうやって流れるままに芽吹いたばかりの葉を見て新たな季節をせーので辿ることにワクワクします。

私は今年の春も大好きでした。

毎年待ち焦がれるように春という季節が好きになったのは、いつからだろう。

ドラマや映画、アニメをみていても春の描写がとても好きです。

何故、私が春が好きか。

まず、過ごしやすい気候で、心なしかとても空気が美味しいと感じます。

春の穏やかな陽射しや春風は心を落ち着かせ、春情を心から美しいと感じることができる。

それが私にとって何よりも幸せなのです。

私が、なぜペンネームを396という名前にしているかにも関係しています。

この連載を始めてからの第一回を見てくださった方はもうご存じかと思いますが396で”さくら”と読みます。

私は桜が大好きです。

桜という花を好きになったのにはきっかけがあります。

小学生のころからバレーボールという競技をしていた私は、スポーツ推薦で中学に入ることが決まっていました。

それは両親が決めた道であり、私は当時同じクラブにいた子たちともっとバレーボールをしたいと考えていたことから拒みに拒んでいたのです。

その為、反抗心から入学試験には似つかわしくない髪色に染めて行ったんです。それに加えて入学試験後すぐに小学生最後の大事な試合が控えていたので、そのことで頭がいっぱいでした。

当時の私は面接も試験も本当にどうでもよかったのです。

これは私にとって、人生の正規ルートではないと思っていたから。

面接が終わり、すぐに私は母の車に乗り込み試合会場へと向かいました。

ですが、私の為に大会運営がトーナメントの試合順まで変えてくれたのにも関わらず、車は大渋滞。

チームのエースとして大好きなチームメイトと最後の大きな大会で何としても優勝をしたくてチームでの練習だけじゃなく自主練習を多く積み重ねてきたのに。

聞こえてくる電話での試合状況。

急遽ポジションを変更して行っていること、試合は劣勢だということ。

普段泣かない私でしたが、運転している母親にバレないように後部座席で泣いていたのを覚えています。

泣いちゃダメだ。

まだ試合は終わっていない。

みんな私のことを待って耐えてくれてる。

私も向かっている。

私は今、最善を尽くしている。

でもそれと同時に後悔をしていたんです。

『あぁ、こんなことになるならば学校の試験なんかきっぱり断ればよかったんだ』と。

私はその試合に間に合いませんでした。

私が着いたころには最終マッチの終盤になっており、既に泣いているチームメイトを見て、胸が苦しくて仕方がなかった。

円陣を組み直して、最後の数ラリーだけ参加をして、小学生での最後の大会は幕を閉じました。

悔しくて、悲しくて、やるせなくて。

皆の前では泣けなかったです。

泣いちゃいけない気がして。

体育館を出た後、泣いている皆にはごめんね、ありがとうという言葉と後輩たちには来年は私たちを超えてねっと強がって笑顔で伝えました。

そんな出来事のあとチームメイトたちとご飯に行っていた時に学校から合格の連絡が入りました。

みんなお祝いをしてくれて、入学をするか迷った私にこう言ったのです。

「これからは敵同士になっちゃうけど、ライバルとして元チームメイトとしてこれからもお互いを高めあうことはできる、だから行ってきな」と。

その言葉を聞いて私は入学する旨を学校側に自分の意志で返答をしました。

そして、入学式の日。

すでに顔を見知った人たちと再会をし、挨拶をした後、窓側の席に座ると大きな桜の木が私の目を奪いました。

その桜を私は目に焼き付けて、この瞬間を一生忘れないでいようと思ったんです。

澄んでいて、さらりと前髪を揺らすほどの柔らかい風を受けながら。

これから私は自分の環境をつくるんだ。

この学校で私はまたエースになってチームを支えたい。

私はもう後悔はしない。

そう決意しました。

そうして中学時代も沢山の人に恵まれて、囲まれて、貴重な三年間を過ごすことができました。

あの時、私の目の前に桜がなかったら、こんな前向きな考えを持ってあの場に座れていなかったと思っています。

救われたんです、桜に。

どんな場所で桜をみてもきっと私はその桜を見て何度も救われるんです。

長い冬を越えて咲き、2週間程度という短い期間で私たちを魅了する。

そして散るときは潔く散る桜に憧れを持っています。

雨に打たれても、地面に落とされても散り花が舞い躍る光景は美しい。

儚いのに芯があって大きな強さを感じられる。

私もそんな女性になりたい。

大人になってもそう思うのです。

桜を見るたびに、“あと何回この桜が見れるだろう”と考えます。

私は死ぬまで、巡り廻ってくる春に焦がれて四季を楽しみにして辿りたいと思っています。

この記事を書くにあたって少し春について調べてみました。

ネットでは春の季節のイメージを統計すると「別れの季節」というイメージがとても多かったんです。

“出会い”より“別れ”のイメージが多いことに少し日本人らしさを感じました。

環境の変化が多い日本ではそういう結果になってもおかしくないんだなと。

必ず来る何かからの“卒業”。

それは旅立つ人からの卒業だったり、

自分が置かれている環境からの卒業だったり。

その卒業や別れは出会いよりもきっと人の心の中で鮮烈に残るのだと思います。

寂しい、悲しい、不安、孤独。

そんなネガティブな感情を引き出してしまうから。

それでも人はまた出会い、新しい環境に身を置き、多くの感情や選択を繰り返して生きる生き物なのです。

そんなことを含めて春が私は大好きです。

皆さんは、春についてどんなイメージがありますか。

どんな思い出がありますか。

私が今書ける詩を書いてみました。

解釈はそれぞれあるかと思いますが、ありのままの私です。

そして、私は一緒に創作を行っている仲間がいます。

創作活動名は[amulet]。

お守り、という意味があり、

お守りのような誰かの居場所が作れたらいいなと思ってこの活動名にしています。

今回は、春の創作を行いました。

素敵なゲストの朗読、優しく感情を揺さぶる音楽にその景色に連れて行くような目に焼き

付けたくなるような写真。そして私の詩を交えた作品です。

言葉を考える時、物語を頭の中で構成して作るのですが、春の創作ということでとでも気合が入りました。

少しだけ紹介します。

「その輪郭をこの花陰で今でも探して」

「言葉に酔えばあなたを知れる気がしていた」

女性が想い人を待っていた、という物語です。

好きな相手の言葉を飲めばきっとそのうちその人の中に辿り着ける。

そう思っていた自分を変えようと前を向く女性の話です。

自分が依存しているものを解き放てば

五感で感じるすべてのものが一気に自分を包み込んでくれる。

そんな経験ありませんか。

いつか、会える日まで彼女はきっといろんなものを感受して素敵な女性になるんだろうなぁと思いました。

春から夏へ移り変わる表現にはスカートを使って表現してみました。

若葉色、すごく素敵な色です。

良かったら検索してみてくださいね。

私はこの連載での詩はすべて自分が主人公のモノを書いています。

自分の感情を表現する、ということはなかったのですが。

友人が「ありのままのあなたの文章を楽しみにしている」と言ってくれたので、

素直な詩を書くように心がけています。

amuletでは詩は私が全て担当しているのですが、一つ一つしっかりとした物語になるように構成しています。

是非amuletでの詩も見てくださったら嬉しいです。お時間があるときに是非。

それでは最後になりますが、

今回は春の私の思い出をテーマに書きました。

共感してくださったり、何か感じて頂ければ嬉しいです。

誰かとともに生きるということ、それはきっと切っても切り離せないことだと思います。

出会いも別れもあるけれど、生きている限り私たちはどこへでも繋がっていけます。

どうか孤独を感じないでくださいね。

ここまで読んでくれてありがとうございます。

また、ここでお会いしましょう。


連載

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